やってみるとクラス全体の様子がよく見えるようになり、戸川先生との距離も近づいた。


クラスをまとめる事は大変だったけれど、戸川先生がいつでも自分を見守ってくれていると思うと、自然と気合も入っていた。


「戸川先生、みんなグラウンドに集合してますよ?」


先生の部屋の前で立ちどまり、桜はそう声をかけた。


しかし、中から返事はない。


返事所か物音が聞こえて来ない。


もしかしてまだ眠っているんだろうか?


戸川先生ならそれもあり得る。


桜はそう考え、ドアを短くノックした。


「戸川先生、入りますよ?」


そう言い、ドアを開けたのだった……。