瞼が重たくてなかなか目を開ける事ができなかった。


こんなに体が重たく感じたのはいつぶりだろうか?


うっすらと開いた目に映る景色は、昨日までと変わらない教室の中だった。


布団が置いてある。


クラスメートたちの荷物が置いている。


だけど、誰もいなかった。


友香は1人その場に座り、窓の外を見た。


グランドのSOSが散らばっていることに気が付いた。


少し身を乗り出して確認してみると、動物の足跡がいくつもついていることに気が付いた。


美夏や真子の死体を食べに来たんだ。


そう理解した瞬間、ハッキリと目が覚めた。


左腕につけられたままの腕時計。


咄嗟に、自分の身体に異常がないかを確認した。


大丈夫なにもされていない。


しかし安心している暇なんてなかった。


友香は今あの男と校舎内に2人きりなんだ。


逃げなきゃ、殺されるかもしれない。


ブルリと身震いをした、その瞬間……。


「おはようございます、友香さん。これからあなたには範囲指定ゲームの指揮者としてそこに残ってもらいます。

なお、抵抗しようとした場合、その腕時計はあなたもろとも爆発しますので、お気をつけてください」


何の感情もこもっていない声が、友香の腕時計から聞こえてきたのだった……。





END