男は1人ではなかったのだ。


校舎内には何十人もの男女がいて、体育館から会議室までを行き来していた。


そんな連中に、大志と兄貴は捕まってしまったのだ。


連中は体育館のステージの下に通路を作り、そこから会議室までを行き来できるように改造していた。
それだけではない。


会議室には沢山のパソコンが置かれていて、わけのわからない作業をしている連中がいた。


これは普通じゃない。


そう感じたけれど、大志と兄貴はロープで体を拘束されていたため、逃げる事はできなかった。


やがて連中が、この場所を使って人体に影響するプログラムを作成していると言う事がわかって来た。


今日はそのプログラムが出来上がったばかりだったようで、大志たちは格好の実験台として拘束されたのだ。


助けてくれ!


俺たちはなにもしてない!


お前たちのしていることを口外なんて絶対にしない!!


そう言っても、誰も大志たちの言葉なんて聞いていなかった。