途中から涙で視界がにじんでぼやけはじめた。


あたし、今、なんで走っているんだろう?


冷静に考える中、大きく息を吸い込んだ。


「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


雄たけびを上げながら屋上へと続く階段を一気に駆け上がり、そのドアを力いっぱい開いた。


バンッ!と音を上げて扉が開き、青空が見えた。


あぁ……今日もいい天気になりそうだ。


こんな日はみんなでどこかへ出かけたいな。


そう思いながら力付くでフェンスを乗り越えた。


躊躇なんて微塵にもなかった。


あたしはあのゲームでも、レーザーでも死なない。


それだけが自分の中での勝利だったから。


真子はそのまま空中へと身を投げ出したのだった……。