それから1時間ほど経過した時、美夏や真子が起きだした。


そのタイミングを見計らい、友香は目をこすりながら今起きたという素振りを見せた。


「おはよう友香。朝が来たね……」


美夏がそう言い、窓の外を見る。


とても心地いい穏やかな朝だった。


グラウンドには相変わらずSOSの小枝が置かれたままになっている。


「ゲームは終わったんだし、これで帰れるんだよね?」


真子の言葉に、友香は心臓がドクンッと大きくなった。


このままじゃ帰れない事を、友香だけはすでに知っていたからだ。


「帰れるはずだよ。きっと大丈夫」


窓の外を見ていた美夏が力強くそう言った。


「うん。きっと大丈夫だよ」


友香は美夏の言葉に会わせるようにして、そう言ったのだった。