カチャッ。


鍵を開ける音が大きく響く。


窓の向こうの人影がその音に気が付き、ドアに近づいてくるのがわかった。


このドアを開けてどうしようというんだろう?


相手は男だ。


細くて弱そうにみえるけれど、友香1人でどうにかなる相手ではないだろう。


それは理解していた。


けれど、このままなにもせずにいられるハズもなかった。


すべてはこの男のせいで始まったんだ。


そしてそれは大きな違和感のあることだった。


こんなにも大規模な殺戮ゲームを、本当にこの男1人で成し遂げたのだろうか?


友香はずっと疑問に感じていた。


逃げたり男に危害を加えそうになった時に出て来たレーザーにしてもそうだ。


あれは一体どこから、誰が操作していたのだろう?


友香は犯人が1人ではないということを、とっくの前から感じ取っていた。