「一か八かだった。投票を変える事ができるかどうかなんて、俺も知らなかった。だけど投票の直後ならまだマウスは動いたんだ」


源はそう言い、真子へ向けてほほ笑んだ。


「な……んでだよ! 俺は今日友香と一緒に死ぬハズだった!!」


心太朗が大股に源へ向かって歩いて行く。


友香が止める暇もなかった。


気が付けば源の目の前にいて、その腹部に拳をめり込ませていたのだ。


ミゾオチに拳が入った源はヨロヨロと後ずさりをして、その場に座り込んだ。


「源!」


真子が駆け寄ろうとする前に、心太朗が源の前に立った。


「心太朗、やめて!!」


友香が走る。


心太朗の拳が握りこめられるのを見た。