範囲指定ゲーム

「最後まで、生き残ってくれ」


源の声が聞こえて来る。


真子は何も言わない。


投票結果や、突然抱きしめられたことで言葉を失っているようだ。


「どう……して……?」


真子がようやくそう聞いた。


「この3チームがドローを続けることなんて、きっとできなかった」


源が静かな声でそう言った。


「あの男がドローになり続けるゲームを許すとは思えない。必ず2チームはどこかで負けるだろう。それなら、勝つのはAチームしか考えられなかった」


心太朗と同じ考えだ。


だけど、心太朗は友香に嘘をついた。


本当は一緒に死ぬつもりでいたのだ。


友香は下唇を噛みしめた。


「でも、投票は俺がやった!!」


心太朗が源に向けてそう言った。


「その後、俺がすぐに投票内容を変えたんだよ」


源の言葉に心太朗は目を見開いた。


「投票結果を変えることができるなんて、聞いてないぞ!!」