「死んだら終わり。その後の世界も、再生もない。そんなの全部つくり話」


「なにを言っているんだよ友香」


「心太朗はどうして心中が幸せな事だなんて考えたの? 妹さんがほほ笑んで死んでいたから?」


「そ、その通りだよ。妹も叔父さんも、本当に幸せそうで――」


そこまで言った心太朗の言葉を、友香は怒鳴りつけるようにして止めた。


「生きて一緒になった方が幸せにきまってるでしょ!!」


その声は体育館内に大きく響き渡った。


みんなが何事かと友香へ視線を向ける。


「好きな人と一緒になれなくても、離れ離れになっても、それでも生きていればまた恋ができるじゃん!! 何度でも何度でも何度でもやり直して、家族からも祝ってもらえるような恋ができるじゃん!!」