男はブルリと武者震いをして画面に集中した。


書かれている名前を何度も読み直し、確認する。


やがて男は2人の名前をコピーした。


そのまま隣の枠へポインタを移動させていく。


その動作に迷いや戸惑いは見られなかった。


男は最初からすでに決めていたのだ。


この2人の死に方を。


男はゴクリと唾を飲み込み、そして舌なめずりをした。


画面上は表のようなものがズラリと出ているが、それは『首つり』『焼死』といった単語が並んでいて物騒だ。


その単語の下には表の空白があり、男は『首つり』の下に2人の名前を張り付けた。


その瞬間、男は満足げな笑顔を浮かべ、何か大きな仕事をやり終えた時のように安堵のため息を吐き出したのだった。