これが最後のゲームになるとわかっているのは心太朗と友香の2人だけだった。


他のメンバーたちはドローを続けて助かると思っているため、朝から元気いっぱいだった。


助かった後はなにをしたいか。


どこへ行きたいか。


食堂はそんな話でもちきりだった。


「元の生活に戻ったらさ、このメンバーで遊びに行きたいよね」


メイがそう言い、他の生徒たちも賛成する。


遊園地に動物園に水族館。


キャンプや海やお祭りも。


様々な案が飛び交っている中、友香は菓子パンを少しずつ食べていた。


「友香、目の下黒くなってるよ?」


美夏にそう言われて友香が自分の目頭を指の腹でグッと押した。


結局昨日は一睡もしなかったんだ。


教室へ戻ってから少し眠るつもりだったけれど、みんなの寝顔を見ていると申し訳ない気持ちに包まれて眠る事なんてできなかった。


今日あたしがやろうとしていることは、最低なことだ。