範囲指定ゲーム

まるで、この手を離してはいけないというように、強く強く握りしめる。


「それなら……あたしは自分に投票する」


そうすれば、3チーム全員が死ぬことになる。


みんないなくなってしまって寂しい思いなんてしなくていい。


「それはダメだ」


心太朗が自分の服を掴んでいる友香の手を握りしめた。


「友香は最後まで生き残ってくれ」


「な……んで?」


心太朗を見上げると、その顔が歪んで見えた。


自分が泣いているのだと、友香は初めて気が付いた。


心太朗が指の腹で友香の頬に流れる涙を拭いた。


それでもとめどなく溢れ出す涙。


自分がいくら説得しても心太朗の気持ちは揺るがないのだと、友香自身が知っていたからこそ流れている涙だった。


「俺にとって友香は特別な存在だ。最後まで生き残って。そして俺たちがここで存在していたことを伝えていってほしい」


心太朗はそう言うと、ポケットの中から青いお守りを取り出した。