☆☆☆

どうにかトイレに印をつけた3人は次の目的地となる、1階の会議室へと向かっていた。


1階には先生たちの部屋もあるため、杏珠の気持ちは比較的落ち着いていた。


先生はいつでも生徒を助けてくれる正義のヒーローだ。


なんてことは思っていないけれど、悲鳴を上げれば間違いなく助けに来てくれるだろう。


「会議室ってどこだっけー?」


ここへ到着したときに一通り見て回ったものの、一回ですべての場所を把握するのは困難だった。


今はライトの明かりだけが頼りだし、迷子になってしまいそうだ。


「こっちじゃなかったっけ?」


階段を下りて右手の廊下を進みながらメイが言った。


前方にはTの字になった廊下があり、左右どちらかを選択しなければいけない。


メイは左の廊下を指さしている。


「本当にあってる?」


杏珠は念入りに確認しながらその足を進める。


こんな中迷子になるのだけはごめんだ。


さっさと終わらせて帰りたい。


「あってるよ。ほら」


突き当りまで来て右手の廊下を照らし出すと、確かに会議室と書かれたプレートがあった。


「あそこか」


杏珠はホッと胸をなで下ろしてそう言った。