範囲指定ゲーム

最初は杏珠の存在が自分にプラスになると思っていたが、次々と死んでいくクラスメートたちを見たみゆは杏珠を利用してもしなくても、そんなことはなんの意味もないと感じるようになっていた。


すべてはあの男に託されているのだ。


みゆはジッとステージ上にいる男を見つめていた。


どんな結果になっても、後悔はしない。


「まぁいっか。これはこれで面白いし、Dチームは自分のチームに投票。3つ同じ死に方が被ったから、Dチームはおとがめなしだ」


男の言葉を聞いた瞬間、みゆは全身から力が抜けていくようだった。


ホッと大きく息を吐き出す。


「やった……よかった!」


そう言って笑顔になったのは心太朗のチームの源だった。


源は頬を赤らめて何度もよかった、よかったと繰り返している。


源はDチームの誰かの事が好きだったのかもしれない。


「騙しやがったな!!」


怒鳴り声が聞こえてきて体育館の中は静まり返った。