範囲指定ゲーム

Dチームの投票結果が表示されていないのだ。


すでに死ぬことが決まったFチームの竜が騒ぎ始めているが、それを相手にしている暇なんてなかった。


「あ~、例外が1つあるみたいだな。Dチームは自分のチームに投票したのか。へぇ、それで3チームの投票が被って免れる作戦だった?」


男がブツブツと呟きながら票を見ている。


Dチームはどうなるんだろう?


このままじゃ首つりが決行されてしまう。


みゆは自分の胸のグッと押さえた。


さっきから苦しいくらいに心臓が早く動いている。


呼吸が小さく浅くなってきて、今にもメマイを起こしてしまいそうな感覚だ。


「みゆ、きっと大丈夫だから」


杏珠がみゆの手を握りしめてそう言った。


みゆは一瞬その手を振り払ってしまおうかと思ったが、なにもできないままだった。