範囲指定ゲーム

計画通り、Dチームを範囲指定する。


そして隣の『首つり』の欄へとゆっくりと移動していった。


Dチームは自分の身を持って、自分自身のチームに投票できるかどうかを確認してくれているのだ。


チラリとみゆの顔を見ると、みゆは真っ青になったまま小刻みに震えていた。


パソコンの前に座っているのに全く腕は動いていない。


失敗すれば間違いなく自分は死んでしまうんだ。


怖くて当然だろう。


なかなか動く事のできないみゆを見て、後ろに立っていた杏珠がそっとマウスに手を伸ばした。


ハッとしたようにみゆが杏珠を見る。


杏珠は強い眼差しでみゆを見た。


「大丈夫だよ」


そう言っているのが友香の所まで聞こえて来た。


なんの根拠もない『大丈夫』と言う言葉だったろうに、みゆはそれでも安心したように少しだけほほ笑んだ。


そして杏珠は、マウスを動かしたのだった。