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体育館へ移動すると、ステー上に男が待機していた。


校舎内でどんなことが起こっていても、ゲームだけは容赦なく始まるようだ。


男は校舎内の出来事をすべて把握しているんだろうか?


心太朗たちが来たのを見て「みんなでエスケープしたのかと思った」と、ニヤリと笑った。


「もし、全員が不参加になったらどうする?」


ふと、心太朗はそんな質問をしていた。


こんなゲーム投げ出して、逃げ出したら?


「殺すに決まってんじゃん。まだわかんないわけ?」


男は面倒くさそうにそう返事をした。


それなら、もしも1人だけ……友香だけがちゃんとこの体育館へ来たとすれば、友香は助かるのか?


そう聞きたかったけれど、みんながいる手前そんな事を質問することはできなかった。


もしも1人だけちゃんと体育館に現れることでその1人が助かるのなら、本格的な殺し合いが始まってしまうだろう。


「じゃぁ今日もはじめるよぉ? 準備はいいか?」


男の声に返事をする者はいなかったが、全員がいつものパソコンの前へと移動したのだった。