死体を運ぶ作業をしている間、美樹はずっと嬉しそうにほほ笑んでいた。


Gチームの死体は山の入り口付近に並べ、動物がその場で食べられるようにした。


3体もあればお腹が膨らんで山の中に帰って行くだろうと考えたのだ。


「ふぅ。やっと終わったね」


3体の死体を運び終えた美樹は満足そうにそう呟いた。


「そうだね……」


千夏は曖昧に頷いてみせた。


自分で望んだこととはいえ、動物に食べさせるためにこうして死体を並べておくなんて、異様な事だった。


「どうしたの千夏。浮かない顔して」


美樹が千夏の顔を覗き込んでそう言った。


「な、なんでもない」


そう返事をして校舎内へと早足に戻って行く。


起きた時間が早かったからまだ昼は来ないけれど、この後ゲームだって待ち構えているんだ。


早く戻らないと、自分たちがいない間になにか作戦が練られているかもしれなかった。


「ねぇちょっと待ってよ千夏」


後ろから走ってついてくる美樹。


「動物に食べられる様子って見られるのかなぁ?」