思わず耳を塞いでしまいたくなるほどの大音量だ。


これは効果があるかもしれない。


5分ほど続けて叩いたあと、杏珠がみんなを止めた。


「これなら道まで音が届いてそうだね」


みゆは満足そうな表情でそう言った。


「お前ら、なにしてんだよ」


そんな声が聞こえてきて校舎の方へ視線を向けると、そこには心配そうな顔をしている心太朗が立っていた。


「心太朗。今の音かなり大きいから助けがくるかもしれないよ?」


友香は嬉しくなってそう言った。


しかし心太朗は呆れたようにため息を吐き出したのだ。


「そんな目立つことして、男が黙ってなかったらどうするんだよ」


心太朗の言葉に友香はたじろいた。


そうだった。


男がどう出るかなんて考えてもいなかった。


今のところみんな大丈夫そうだけれど、いつあのレーザーが出て来るかもわからない。


「ご、ごめん……」


友香はうなだれて素直に謝った。


「ま、方法としてはいいと思うけどな」


心太朗は友香の頭に手を乗せてそう言った。


「だよね? この音を聞きつけた人が助けに来てくれると思うし」


みゆは自信たっぷりな表情でそう言ったのだった。