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正樹は友香をグラウンドへと連れ出した。


重苦しい雰囲気の中、少しでも綺麗な空気を吸いたいと思ったのだ。


グラウンドには相変わらずSOSと並べられた小枝が並んでいて、空には雲1つない。


「ここに座ろう」


校庭に植えられている桜の木の下で、2人は腰を下ろした。


こうして見ていると、ごく普通の学生にしか見えない。


この2人が人殺しゲームに参加させられているだなんて、誰も思いはしないだろう。


「正樹……ごめんね」


友香がうつむき、小さな声でそう言った。


その肩は震えている。


「なんで友香が謝るんだよ」


「だって……あたしたちはあの時……」


声が震えてうまく言葉が続いていかない。


友香は自分を歯がゆく感じた。


「そんなの、当たり前だろ」


正樹はそう言い、友香の手を握りしめた。


友香は驚いたように正樹を見たが、その体の震えは止まっていた。