男が焼死を告げた瞬間、Jチームの正樹は喉から唸り声を上げた。


自分の意思で出した声ではない。


自然と出て来たのだ。


次に視界が歪み、涙が浮かんでいるのだとわかった。


みんなで学校内を調べている間に死ぬことを決めた。


どんな死に方を選ばれたとしても大丈夫だからと、正樹はみんなに告げていた。


それなのに、焼死と決まった瞬間涙が出て来るなんて、俺ってダサいな。


そう思い、手の甲で涙をぬぐった。


男が体育館を出て行った後も、誰もそこから動こうとしなかった。


生き残ったチームの連中が申し訳なさそうな顔を浮かべている。


その中には友香の姿もあった。


友香は下唇を噛んで涙を我慢しているように見えた。


おい、そんな顔をしないでくれよ。


心の中で友香に話しかける。


同じクラスになってからあまり会話をしたことのない相手だったけれど、小さな体で一生懸命みんなに話しかけている友香を見て、いいなと思っていた。