友香は由奈の言葉に唖然として目を見開いた。


自分たちが教室で誰に投票するか考えている間に、桜たちは自分たちを犠牲にすることを決めていたんだ。


「あ～。投票がいくらか被ってるから、投票順で決めるからな」


男がスクリーンを見てそう言った。


「ま、待って……」


真子が手の届かない男へ向けて手を飲ばす。


しかし、男には声さえ届かない。


真子はいまにも泣き出してしまいそうな顔をしている。


「まずはＥチーム。これは飛び降りだな。よかったなぁ一瞬で死ねるぞ」


飛び降り……！！


友香がゴクリと唾を飲み込んでスクリーンへ視線を向けた。


表情の見えない男が淡々と死に方を説明していく。


「次はＧチーム。Ｇチームは首つりになるな。まぁ、いいんじゃないか？」


いいんじゃないか？


なにがいいの？


そう言いたかったけれど、友香の言葉は喉に詰まって出て来なかった。


「Ｉチームは水死。Ｊチームは焼死。以上な。終わり」


男はそう言い、スクリーンを戻して体育館を出て行く。


焼死と言われたＪチームの男子から、泣き声が聞こえて来た。


この中ではおそらく、一番苦しい死に方だろう。


友香はそう思ったが、すぐに左右に首をふってその考え方をかき消した。