範囲指定ゲーム

☆☆☆

たった数分間の投票時間で、クラスメートたちはグッタリとした様子だった。


壁にもたれて目を閉じたり、床に寝転がって泣いている子たちもいる。


友香も例外ではなく、投票後は頭の中が真っ白になってしまっていた。


桜たちに飛び降りを選んでしまった。


友香は桜たちがスピーカーを使って屋上から呼びかけていたのを思い出していた。


あの声は教室までちゃんと聞こえてきていた。


そんな中、友香たちは誰に投票するかを決めていたのだ。


あたしは最低の人間だ。


そう思い、膝を抱えて座った。


そうしていないと、体が震えて止まらないのだ。


自分の膝をきつくきつく抱きかかえ、まるで胎児に返ったような感覚になる友香。


いっそ子供の頃まで戻ることができたらどれだけ幸せだろうか。