☆☆☆

校舎の中はとても綺麗に掃除されていたが、森に建っているせいか土の香りがしていた。


１階の入り口右手が先生の宿泊する教室で、その横が女子生徒の宿泊する教室になっていた。


男子生徒が泊まる教室は２階だった。


教室内にはフカフカの布団が積み重ねてあり、夜になるとそれぞれで布団をしいて眠る事になるようだ。


「なんだかワクワクしてきた」


荷物を置いた美夏がそう言った。


友香は賛同するように頷く。


「そうだね。やることは勉強だけど」


「それ言わないでよ」


現実に引き戻される友香の言葉に美夏がため息を吐き出した。


勉強をする部屋は２階の教室を使うらしく、授業中はほとんど日常と変わらなさそうだ。


ここへ来る目的はクラスのチーム力を高めるため。


夕飯の準備などを一緒に行い仲を深めるのが目的だ。


「ねぇ、さっき先生から聞いたんだけどこの校舎って電気通ってないらしいよ？」


みゆがそう言うと、女子の１人が教室の入り口まで移動し壁にあるスイッチを押して確認してみている。


確かに、何度やっても電気はつかない。


「うそ、じゃぁスマホの充電できないじゃん！！」


そんな悲痛な声が聞こえて来る。