昼の時間になると、自然とみんな腰を浮かして食堂へと移動し始めていた。


食欲なんてないけれど、一応は何か食べておこうと思うのはやっぱり死にたくないからかもしれない。


友香は食堂の椅子に座り、みんなの顔を見回した。


さっきまで一緒に話し合いをしていたけれど、まるで他人のように思えて来る。


どうしてあたしはここにいるんだろう。


どうしてあたしはこんなことに参加しているんだろう。


自分は実は全く別の人間で、これは全部夢なんじゃないか？


そんな都合のいい妄想が膨らんでいく。


「もうすぐ１時だな」


そんな妄想も、心太朗の言葉によってかき消されてしまった。


食堂の時計に視線を向けると１２時４５分になっていた。


「体育館に移動するか……」


そう言い、心太朗は立ち上がった。


もちろん、行かなくてはいけないんだろう。


だけどあたしの体はなかなか動かなかった。