「もし、最後のチームになるまで投票を続けなきゃいけないなら、今の内にできるだけチーム数を減らしておいた方がいいかもしれない」


その声に抑揚はなく、冷たさを感じられた。


だけど、杏珠はそれだけ覚悟をしているのだと言う事が伝わって来た。


「さすが杏珠だね。そこまで気が付かなかったよ」


みゆが甘ったれた声で杏珠をほめる。


杏珠は少しだけ頬を赤らめてほほ笑んだ。


ここへ来てから2人の関係が縮まっている事を、生徒たちはきっとみんな気が付いているだろう。


「ここに残っている女子は丁度3チーム。いないチームも3チーム。それぞれ1チームずつ投票すればいい」


杏珠は続けてそう言った。


「そうだけど、相手のチームがどこに投票するかわからないよね?」


そう言ったのはKチームの美樹だった。


「そうだね。そこは運に任せるしかない」


杏珠は言う。


結局、自分が生き残れるかどうかはわからないということか。


友香は大きくため息を吐き出した。


だけど、杏珠が言った通り少しでもチームを減らした方がいいなら、それに従うのが一番だ。