「…なにかあったのか?」



先輩は優しく私に問いかける。



「いえ…特に何かがあったわけじゃないんです。」



ただ、群馬に行く話が出ただけ。


しかもお母さんは私は留守番しててもいいと言う。




「いいよ。どんな話でも聞くから。話せるだけ話してみろ。」




先輩はしゃがみこみ、ベッドの上で寝ている私と同じ目線になる。




「俺が全部聞いてやるから。」



先輩がそう言うと今まで黙っていた先生が立ち上がった。