譲りたくない、キミだけは。



光を反射して、キラキラと輝いて見えるプラチナブロンドの髪。
白い肌。垂れ目がちな大きな瞳。

全体的に色素の薄い中性的な容姿に、目が奪われた。


わたしと……同じ、制服。

彼は……先輩?


大人びた彼のオーラは、どうにも同い年には見えなかった。



「もしかして、ナンパ?」



少し厚めの、形の整った唇。端を吊り上げて、彼はにやりと意味深な笑みを浮かべた。


妖美を漂わせるその笑みに、ドキッと心臓が高鳴る。



「ねぇ、離してあげなよ」



わたしを囲む男の人たちも、彼の美しさを前に萎縮しているようだった。



「……っ、行こうぜ」



あっさりと彼の言葉に従い、わたしから離れてくれた。