譲りたくない、キミだけは。




あまりに見つめていたからだろうか、レオくんが不思議そうに白いうさぎを指差した。



「かわいいなって、思って……」

「よし、任せて」

「……え?」



レオくん?なに、してるの?

突然財布を取り出したレオくんは、お金を機械の中に入れた。


すると、中のアームのようなものが動きだす。



「あっ……」



うさぎが……!



「久々だったけど、意外ととれるもんだね」



アームによってすっぽりと掴まれたうさぎが、穴の中に落ちた。



「はい、あげる」



レオくんはフタを押して落ちたうさぎのぬいぐるみを取り出し、わたしに渡してくれる。