譲りたくない、キミだけは。



「い、行きたいっ……!」

「よっしゃ、じゃあ行こう」



ニカッと笑って、「決まりね」と言ってくれる夏目ちゃん。

う、わっ……すごい、凄いっ……



「わたし、放課後遊んだりするの、初めて……」



夢が、ひとつ叶っちゃった……。



「「え?」」



重なり合った二つの声に、首を傾げた。

2人とも、目を見開いてこちらを見ている。



「初めて……?美々子、一回も放課後遊んだことないの?」

「うんっ……友達と遊んだりするの、夢だったのっ……」



おとといの、学校に行きたくないと泣いていたわたしに伝えてあげたい。


ーー今、わたしはとっても幸せで、素敵な友達が2人も出来たんだよって。