譲りたくない、キミだけは。



教室に戻ったわたしたちは、お弁当を急いで食べていた。



「仲良くしたいって言いながら本人目の前にしたらなんかクールぶってるし、めんどくさい女だよほんとに」

「うっさいバカ男!小森さんと仲良くなれた今、あんたなんてもう用済みよ!!」

「はいはい……」



どうやら、2人は小学生の頃からの付き合いらしく、家も近所の幼なじみらしい。

ずっと仲良くなりたいと思ってくれていたらしく、わたしは嬉しくてたまらなかった。

夏目さんみたいな素敵な人と友達になれるなんて……


高校生になって、もう友達が2人も出来てしまった。

お母さんに、報告しなきゃっ……。