譲りたくない、キミだけは。




「あ、ありがとう、ございますっ……」

「ちょっ……な、泣かないで、あたしもキツイ態度とってごめんね……!」

「ううんっ……わた、わたしの方こそっ……」



神様、仏様、お母さん、レオくん……

わたし、女の子のお友達が出来ました。



わたしが泣き止むまで、夏目さんはずっと背中を撫でてくれた。


廊下のど真ん中。

レオくんが迎えに来てくれるまでの間ずっと、夏目さんと固く抱きしめ合っていた。



* * *



「ほんとさ、こいつずっとみーこちゃんのことかわいいかわいいって入学式の日から騒いでたんだよ」



お昼休みが終わるよ、と言って、廊下にいたわたしたちを迎えに来てくれたレオくん。