譲りたくない、キミだけは。




気持ちを全部ぶつけると、気が抜けて、涙がポロポロと溢れ出す。



ちゃ、ちゃんと言えたかな……?


ちゃんと、伝わったかなっ……?



レオくん、わたしは……きちんと前に、進めた……?


きっとこんなこと、今までのわたしなら考えられなかった。

こんな廊下の真ん中で、みんなが見ている中で、自分の気持ちを叫ぶなんて。


廊下を歩いていた生徒たちが、好奇の目でわたしを見ている。

でももう、そんなこと気にならなかった。



夏目さんが、驚いた様子で、目を見開いている。

どんな反応が返ってくるかわからなくて、少しだけ怖い。