譲りたくない、キミだけは。



「……あ、あのっ……!」



自分でも、びっくりするくらい大きな声が出た。


夏目さんが、ゆっくりとこちらを振り返って、視線が交わる。


大丈夫。……だって、


ーーーレオくんが、大丈夫だよって言ってくれた。


背中を、押してもらった。





「違うん、ですっ……わたし、あのっ……」



ーーオドオドばっかりして、嫌な態度ばっかりとって、ごめんなさい。



「ほんとはっ……夏目さんと、仲良く、なりたいっ……です」



ーーおこがましいけれど、お友達に……なって、ほしいです……。



「でも、わたしこんなんで、話、下手くそで……ごめんなさいっ……」