譲りたくない、キミだけは。



『みーこちゃんが仲良くなりたいって思う人に、友達になりたいって気持ちを伝えたらいいんじゃない?』



せっかく、レオくんが真剣に答えてくれたのに……

こんなわたしなんかに、アドバイスをしてくれたのに……っ。



わたし、またレオくんに助けてもらうの……?



……変わり、たい。

わたしも、レオくんみたいに、周りを元気にできる人になりたい。

ずっと、助けられっぱなしじゃなくて……わたしだって、レオくんに近づきたい。



『大丈夫。みーこちゃんは良い子だから、きっとたくさん友達出来るよ』



慌てて立ち上がって、教室を飛び出した。

夏目さんが歩いて行った方向に走って、夏目さんの姿を探す。


廊下の角を曲がってすぐ、わたしはその背中を見つけた。