譲りたくない、キミだけは。




「ていうか普通にこのままどっか行かない?俺ら入学式の片付けで来たんだけどさ、かったるいし、せっかくならかわいい子と遊びたいじゃん?」

「本当見れば見るほどかわいいね。もろタイプなんだけど」



な、何言ってるのこの人たちっ、遊ぶ?もろ?

とにかく、わたしの中の危険察知機がサイレンを鳴らしてるっ……。


今すぐ彼らから逃げてしまいたいのに、恐ろしくて足が動いてくれない。


迷子にはなるし、怖い人たちに絡まれちゃうし……わたしの高校生活、もうお先真っ暗っ……。



「ねーねー、何か言ってよ」

「もしかしておびえてるの?えー、なんかそれもかわいーんだけど」