レオくんは……どうしてそんなに優しいの?
わたし、こんなにダメダメで……どうしようもない人間なのに。
首を左右に振って、涙を拭った。
嫌なことがあったわけじゃないの。
自分が情けなくて、たまらないだけなのっ……。
「スポーツテスト、そんなにしんどかった?」
きっとわたしを笑わせようとしてくれたんだろう。そんな冗談を言ってくれるレオくんに、胸がぎゅっと締め付けられる。
「全然、ダメでした……」
スポーツテストも……夏目さんに、対しても。
「そっか。よしよし、元気だして」
レオくんの綺麗な手が伸びてきて、わたしの頭に乗せられた。
大きな手が、わたしの頭を撫でてくれる。

