譲りたくない、キミだけは。



「あ、みーこちゃん、こいつ夏目っていうの。男みたいなやつだけど、一応女だから、仲良くしてあげて」



えっ……あっ……

突然話を振られて、どうすればいいかわからずにアタフタしてしまう。


な、夏目さん……名前まで綺麗。

えっと……わたしも、何か言った方が……



「あ、あのっ……」



名前を名乗ろうとしたけれど、夏目さんの大人びた気迫に圧巻され、中々言葉が出てこない。

そんなわたしを見て、夏目さんは目を細めた。



「レオ、あたし先行ってるから……」



あっ……行って、しまった……。

わたしがオドオドしてたから、気分を悪くさせちゃったの、かもしれない……。