譲りたくない、キミだけは。




仕方ない……このまま体育館までこのクラスについて行って、体育館についてから、探そう……。



「みーこちゃん!」



諦めかけた時に、後ろから聞こえたレオくんの声。

同時に、腕を掴まれた。



「こっち」



あっ……。

わたしの腕を掴んだレオくんが、人混みを掻き分けながら進む。

レオくん……。


どうして、わたしの場所がわかったんだろう。

でも……また、助けられちゃった……。



「ごめんなさいっ……わたし、迷っちゃって……」

「大丈夫だった?みーこちゃんちっちゃいから、埋れちゃったんだね」

「また助けてくれて……あ、ありがとうっ」

「どういたしまして。それに、困った時は俺が助けるって、約束したしね」