譲りたくない、キミだけは。



レオくんの一番近くにいる子が、とても鋭い視線でわたしを睨んでいる。

と、隣の席だからかな……わからないけど、ごめんなさぃっ……。


恐ろしくて、肩身を狭くしながら座っていた。






始業式のため、生徒は体育館に移る。

わたしも席から立ち上がって、教室を出た。



「レオくーん、一緒に行こー!」

「いーよ」



相変わらず、大人気なレオくんの周りには女の子がたくさん。


わたしはまだ女の子の友達1人も出来てないのに、レオくんはあんなにいっぱい……凄いなぁ……

レオくんに、お友達がたくさんできる秘訣、教えてもらいたい。


そんなことをぼうっと考えてしまっていたからだろう。