譲りたくない、キミだけは。



呼ばれた名前に慌ててそちらを向くと、レオくんと目があった。



「ちょっとごめんね、隣の席の子座れないから、開けてくれない?」



レオくんの一言に、女の子たちは素直に従って、わたしの席が姿を現す。


あっ……レオくん、やっぱり良い人っ……。


皆さんとレオくんの会話を中断させてしまったことに申し訳なさを感じながらも、席に座らせてもらう。



「おはよ、みーこちゃん」

「お、おはようっ……」



あ……こんなふうに、朝教室で誰かと挨拶できるって、素敵だな……。

レオくんの笑顔に、胸が温かくなる。



それにしても……なんだか、女の子たちの視線が、痛いっ……。