譲りたくない、キミだけは。



「ねぇねぇ、レオくんID教えてー」

「今度カラオケ行かない?」

「ちょっと、押さないでよー」



口々にレオくんに声をかける女の子たち。
人数が多すぎて、押し合いみたいになっている。

さ、さすがレオくん……


そういえば昨日、女の子たちが中学の頃から人気者だって言ってたもんね……!


とりあえず、わたしも席につきたいけど……ひ、人がいっぱいで、座れそうにない。


レオくんの隣の席であるわたしの机。

どうしようかと、辺りを見渡しながらオロオロしていた。


授業が始まるまで、立っていようかな……いやいや、それは変な人みたいになりそうっ……。



「あ、みーこちゃん」