「あの子……どこか頭でも打ったのかしら……?」



わたしがいなくなった家の中で、お母さんがそんなことを呟いているとは知る由もなく。




* * *




よし……今日は、迷わず学校に来れた。


無事辿り着けたことにほっとして、教室までの道を歩く。


レオくん……もう来てるかな……?


そんなことを考えていると、自然と速足になっていた。



……あれ?


教室を覗くと、レオくんの席に女の子がたくさん集まっていた。

よく見ると、真ん中にはレオくんの姿。



す、凄いっ……レオくんってば、もう人気者になってる……!