「……珍しいわね、美々子が『行きたくない〜』って泣きわめかないなんて」
「な、泣きわめいてなんてないよっ……!」
い、嫌だって、駄々をこねてたのは否定出来ないけど……。
「なんだかうきうきしちゃって……友達でもできたの?」
やっぱり、お母さんにはわかるのだろうか。
何も言ってないのに、どうしてわかったんだろう……っ。
くるりと振り返って、首を縦に振る。
そうなの、友達がね……出来たの。
レオくんっていう素敵な人が、こんなわたしと、お友達になってくれたんだよ。
「うんっ……!神様みたいな人なの」
「か、神様……?」
「うんっ」
「……そう……よかったわね」
「えへへっ……行ってきます」
ローファーを履いて、飛び跳ねるように玄関を出た。