譲りたくない、キミだけは。



「まあ確かに、鼻の下伸ばしながらデレデレしてて気持ち悪かったね」と、サラッと毒を吐くレオくん。

えっと、その……



「……わ、わたし、男……の、人が、苦手で……」



どうしようか迷ったけれど、素直に言ってみた。

こんなことを人に言ったのは、お母さん以外初めてかもしれない。



「あー……」と、納得したように、声を出したレオくん。



「……なるほどね。だから俺にもビクビクしてたのか」



あっ……しまった。

わたしの言い方、誤解させちゃったかもしれないっ……。



「俺、出て行こうか?みーこちゃんは落ち着くまでここにいた方がいいよ」

「……っ」



ち、違うのっ。