譲りたくない、キミだけは。




いつの間にかわたしの背後にいたレオくんが、わたしを庇うように男の子たちとの間に入った。

酷く安堵して、肩の力がストンと抜ける。



レオくんの登場に、男の子たちは焦ったように口角の端を下げて、後ずさるようにわたしたちと距離をとった。



「あんまりガツガツしてると、モテないよー」



わたしの目の前にあるレオくんの背中が、大きくて、頼もしくて、もう大丈夫だよと言ってくれているような気がした。


レオくんの言葉に、男の子たちは顔を真っ赤にして、逃げるように去っていく。


……よかった……レオくんが、助けてくれて、すっごく、助かったっ……。