譲りたくない、キミだけは。




どうしていいかわからずにオロオロしていると、加藤さんという人の友人らしき二人の男の子もこちらへと駆け寄ってきた。



「小森さん?聞いてる?」



いつまで経っても返事をしないわたしに、痺れを切らしたのだろうか。

一人の手が伸びてきて、わたしの肩に触れた。



「……っ」



じわりと、冷や汗が溢れる。


こ、わい……触ら、ないでっ……




男の子は、怖いっ……




「なーあ、脅えてるのわからない?寄ってたかってやめてあげて」



レオ、くんっ……。


一体、助けてもらうのは何度目だろう。

どうしてレオくんはいつも、わたしをヒーローのように助けてくれるんだろう。