上の空状態だったわたしはハッと我に返り、体育館のステージに彼の姿を探す。

……っ、いたっ……!


階段を上がり、マイクの前へ立ったのは、確かに先ほどまで一緒にいた凰牙さんだった。


凰牙さん……首席だったんだっ……。

す、凄いっ、勉強まで出来るなんて……!


改めて、尊敬するところがたくさんある凰牙さんが、神のような存在に見えてわたしは目を輝かせた。


凰牙さんの登場に、体育館内がざわつく。

彼の美しさに、先ほどまでダルそうにしていた人たちも目が釘付けだった。


きっと、素晴らしいスピーチをするんだろうなぁっ……

期待に胸を躍らせ、凰牙さんだけをじっと見つめた。