連れてきてくれてありがとうございます、と、言う間も無く行ってしまった凰牙さんの背中を見つめて、申し訳なくなった。
後で……ちゃんと言わなきゃ。
とりあえず今は、早く席につかなきゃ……式が始まっちゃう……!
きた生徒から順に座るシステムらしく、一番後ろの空いている席に座った。
今頃来たからか、生徒たちの視線がわたしに集まっている気がして下を向く。
うっ……し、視線が痛い……っ。
「あの子すっげーかわいくない?」
「やっば、このクラス当たりだな」
「後で連絡先聞ーこおっと」
何か言われている気がするけれど、体育館の中はざわついていてはっきりと聞こえない。

