「もしかしたら見つかるかもしれないぜ」

享也の言葉に、東谷はピクリと反応する。

「まじですか!?」

凄い勢いで飛び付いてきた東谷に、享也は琉衣から受けた相談の事を話した。

友人の穂乃香に続いて琉衣までもが居なくなったのだ。

享也は、この二人の失踪があの夢の話に関係していると考えていた。

「まずは夢を見たっていう三森に話を聞きに行くぞ」

全ての原因はあの夢にある。

そう確信した享也は、カーナビの目的地を三森の家に設定した。

前に琉衣を送って行った時から、ナビに住所を入れたままにしていたのだ。

「ハイッ!」

東谷は元気よく返事をすると、素早くシートベルトをした。

事件に関係していそうだと分かった途端これである。

現金な奴……と呟くと、享也は駐車スペースから車を出した。